毛髪培養への投資家からの視線は熱いようだ。
スタンダード&プアーズによる株式情報レポート や
Biotuesdays でも取り上げられたニュースを紹介させていただいが、今回も株式情報を配信するニュースサイトでもRepliCel社の毛髪培養が取り上げられている。これまでの自毛移植やミノキシジルなどの投薬治療では効果に限界があったものの、毛髪培養による毛髪再生医療はこれまでの限界を打ち破るものとして期待も高い。
- equities.com -
髪の毛がハゲていることは笑いのネタの対象にされ、それは時に悪意のものであるにも関わらず、大衆文化においては良いものとされている。しかし不幸にして脱毛症になってしまう人たちにとっては、何ら笑えるものではない。実際に、多くの人々にとっては、髪の毛を失うことは、精神面においても非常にダメージをもたらすものである。人生の一定時点において、男性のうち70パーセント、女性のうち40パーセントが脱毛症に悩まされることを考えれば、その問題というのは非常に深刻なものなのである。
脱毛症は、多くの原因により引き起こされるものである一方、非常に一般的なものには、男性型脱毛症としてよく知られている男性ホルモンによる脱毛症があげられる。脱毛症の発生は、年齢と共に増加することが示されており、研究によれば、遺伝子によるものであることが示されている。男性ホルモンとして知られているホルモンは、毛包を収縮させ、さらには毛包それ自体を破壊してしまうのである。その結果として髪の毛が薄くなってしまうか、もしくは髪の毛を失ってしまうことになる。
男性の場合においては、脱毛症は、生え際の後退と頭頂部が薄くなること症状を見せる。女性の場合であれば、脱毛症は頭部全体の髪の毛が薄くなるという状態を示す。現在のところ、脱毛症マーケットは何兆ドルもの市場規模になっているにもかかわらず、脱毛症を完治させる治療法というのは未だ存在しない。この比較的不当なマーケットにおいては、より多くのことが望まれていることは間違いない。
○RepliCelによる治療法
ひとつの企業が、この状況を完全に変えてしまう可能性を現実のものにする間際にある。それはRepliCel Life Sciences, Inc.(
証券コード:REPCF )であり、バンクーバーに拠点を置くこの企業では、安全で効果のある細胞ベースによる毛髪再生医療の開発に力を注いでいる。
RepliCel社は、Kevin McElwee博士とRolf Hoffmann博士による革新的な発見に基づき設立され、二人は、免疫学や毛髪生物学、毛髪研究、皮膚医学において著名な研究者である。McElwee博士とHoffmann博士により、毛髪の再生のキーは、毛包真皮毛根鞘細胞として知られているものに存在していることが分かった。この特定の種類の細胞は、毛包の基底部に存在していると同時に、幹細胞に似た特性を有しており、毛包新生や既に存在している毛包の再生を促す可能性を有している。
「人における毛髪再生の可能性については、現在、我々が行っている臨床試験のフェーズ1において実験を行っているところである。」代表のDavid Hall氏はこのように語り、「毛包真皮毛根鞘細胞を分離、増殖させ、患者の頭皮に移植することにより、新しい毛包を作り出すだけでなく、男性ホルモンにより収縮し毛髪成長サイクルを停止している既に存在している毛包についても活性化をもたらす。これが我々の行おうとしていることなのです。」と語った。
○毛髪再生医療の有効性
RepliCel社が現在実験を行っている毛髪再生医療の施術は、非常に簡単に理解できるものである。男性ホルモンに抵抗力のある後頭部の底部から少量の細胞を採取する。そしてそこからおよそ20から25個の毛包が採取される。毛包からは、毛包真皮毛根鞘細胞が分離され、3ヶ月ほど増殖媒体の中で培養が行われる。培養された細胞は、患者の脱毛部位に注入され、施術は完了する。
「現在の臨床試験において細胞の注入に掛かる時間は、およそ15分程度です。」このようにHall氏は語り、「商業レベルでは、頭部全体に注入する場合について、30分から45分程度になるだろうと思います。(毛髪培養において)キーとなるのは、注入それ自体なのではなく、毛髪培養テクノロジーが本質的に関わってくるところは、細胞の培養にあるのです。臨床的な観点から言えば、医師はさほど高度な設備や多くのアシスタント無しで、患者に対してより多くの治療を行うことをできるようになるのです。」
8月においては、初めて実際の被験者をもちいた臨床試験において、全員の被験者に細胞の注入を行った。この臨床試験がうまく行けば、RepliCel社は、早ければ2012年の3月には体系的な有効性や安全性について示すことができるだろう。最初の治療後検査から6ヵ月後には、臨床試験フェーズ2に向けて治験薬概要書を提出することができる。毛髪培養の有効性は、既にマウス実験では示されており、施術の有効性は50パーセントの成長率をもたらした。実際の人においてもRepliCelは、20パーセントの成長率と安全性を示しており、これが新しい標準になるだろうとHall氏は語る。
「前臨床試験や臨床試験の研究に要したコストは、治療薬の開発と比較してもドラマチックに少なくて済んだ」とHall氏は語る。「我々がしなければならないことは、既に細胞レベルで行っていることについて、承認を受けるということです。細胞の培養において、必要な素材などを確立しなければなりませんが、よいニュースになりますがこの点について我々が使用している素材は、全て承認されているということです。したがって、有効性を証明するために新たに多くの資金を注ぎ込む必要はないのです。」
○毛髪再生マーケット
Hall氏は(現在の)毛髪業界を2兆ドルの市場規模があると見込んでいる。自毛移植が1.2兆ドル、(ミノキシジルなどの)傾向治療薬による市場規模は、およそ1兆ドルだ。
「傾向治療薬ではなく、自毛移植が、実際に金字塔と考えられています。」と彼は語る。「しかし問題点というのは、自毛移植が、少数の外科医により人間の手で行われるというものです。FUE法のために、精度の高い機器も開発されてきましたが、移植を行うために精度の切開を行う機器は存在していません。移植の出来具合は、未だ医師の技術レベルに依存しているのです。したがって、自毛移植を(毛髪業界の)金字塔としてしまうには、限界があるのです。」
脱毛症の経口治療薬については、ロゲインとプロペシアの二つがよく知られています。しかしこれらの治療の大半には、多くの制約があることも示されています。これらの治療薬や自毛移植における大きな限界のひとつとしては、女性において脱毛症全体において有効性を示すことができていないということです。女性型脱毛症を治療するに当たり有効性を証明した治療薬は今のところありません。特に女性は自毛移植を受けに行こうとはしません。
しかし、これも安全でメスを伴わない脱毛症治療のチャンスとなる。RepliCel社の自己細胞ベースによる治療が、患者が病院にそれほど足を運ばずに済み、一度の治療で済むことを考えれば、現在の治療選択肢よりも遥かに魅力のあるものになる。
しかし実際にこのようになる前に、RepliCel社は臨床試験を成功させ、アメリカのFDAやカナダ保健省、欧州医薬品庁に対して同治療が安全で効果のあるものを証明し承認を受けなければならない。Hall氏やRepliCel社の研究チームにとって、この点が重要であることは変わらない。
「このテクノロジーを開発することが人々にとって、どれほど重要なのか私は理解している。」Hall氏はこのように語る。「しかしこのテクノロジーを適切な手順にのっとって開発することが如何に重要なのかを、皆が理解しなければならない。なぜならば、適切な手順にのっとって開発を進めなければ、当局によってストップさせられてしまうからだ。そうなれば、また一から再スタートしなければならない。工程をはしょることは出来ないのである。」
「したがって3月におけるフェーズ1(の完了)は、我々にとって重要な通過点となるのである。我々は毛髪が成長することに自信をもっている。もしうまくいかなくても、開発は止めない。もし20パーセントの毛髪成長率を達成することができれば、他の治療法と比べてもこれは大成功である。」
■引用元
How RepliCel is Regenerating Hair Growth One Cell at a Time | equities.com より翻訳
■いただいたご意見
全快の記事
RepliCelの毛髪培養と脱毛症治療 - Biotuesdays - にいただいたご意見へのコメントとなります。
最近、更新頻度すごいですね。本当に心の支えです。この調子でこれからも頑張っていただけると非常に助かります。
コメントありがとうございます。読者の皆様に毛髪再生医療の最新情報をお届けできるよう、頑張りたいと思います。
三十分から四十分で施術が終わるのはすごいですね。植毛は約、1日かかりますから。
ご意見ありがとうございます。毛髪培養による半永久的な治療効果もさることながら、施術が非常にシンプルになるという点も患者の負担が少なくなり大きなメリットになりますね。
俺たちが一通りハゲの治療法を考えている時間に 世界では何万通りもの治療法が考えられている 希望が湧く
ご意見ありがとうございます。毛髪再生医療にもさまざまな種類が研究開発されているようですね。将来の治療選択肢は非常に恵まれたものになると思います。
2013年の8月に最終結果がでるとありますが、これは、臨床試験全ての結果のことですよね。この会社はジカミに相当おくれをとると思ってましたが、市場投入はジカミと同じ時期、もしくは、それより早いかもしれませんね。
ご意見ありがとうございます。RepliCelは、Jigamiの知名度に隠れてしまっているところもありますが、投資ニュースの分野でも掲載され始めたことから、将来性はアデランスリサーチの毛髪培養に劣らず高いものになると思われます。
管理人様は、Acellが日本で使えるようになるのはいつごろになるとお考えですか。
ご意見ありがとうございます。具体的な期間は何とも言えませんが、日本でもHSCによる実験治療が既に行われ始めた点や
一部のクリニックがブログでACellの導入を考えているという意思表示を明らかにしていた点からすると、かなり近いうちには一部のクリニックで利用可能になるように思います。
変な質問かもしれませんが、これは毛髪の細胞を注入するというものらしいですが、注入された細胞が誤って脳のほうに髪を伸ばしてしまうということはないのでしょうか。
ご意見ありがとうございます。毛髪培養の初期の議論においては、正しい角度で生えるかという点も話題になりましたが、この点は当時思われていたほど特に問題とならなかったようです。
13年かぁ・・・・その後パッタリという事がなければいいけど。 日本にくるのはそうとう後ではないですか?
ご意見ありがとうございます。RepliCelがS&Pの株式レポートに取り上げられるようになったことを思うと、その後ぱったりという心配は少ないかなと思います。日本での普及はアメリカに比べれば遅れるとは思いますが、需要の大きさを思えば、日本での承認も短期で済むという可能性もゼロではありません。
ES細胞実験中止とか?
ご意見ありがとうございます。毛髪培養では、大きな内臓と違い、ES細胞を用いるほどのものではありませんので、この点は特に問題にならないと思います。
今年はあと何回更新されるんだろ。楽しみすぎるー。
応援ありがとうございます。なるべく多くの情報をお届けできるよう頑張りたいと思います。
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