RepliCelの毛髪培養と脱毛症治療 – Biotuesdays -
2011/11/08毛髪培養の効果については、ロゲインやプロペシアと同等かそれ以上の毛髪成長や密度をもたらすことが分かっており、永続的な効果や施術に掛かる時間も30分から40分程度と短時間で済む点も述べられている。当ブログでは、毛髪培養について懐疑的な意見も多いが、業界レベルでは投資家の目にも、毛髪再生医療が現実的な投資対象になりつつあることを意味していると思う。
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20年に渡る研究と作業を経て、RepliCel Life Sciences社(証券コード: REPCF)は、来年の第1四半期において、毛髪培養テクノロジーが、男性および女性における男性型脱毛症や一般的な脱毛症向けに、世界で始めてのメスのいらない治療法となる可能性を有しているかどうかを明らかにすることになるだろう。
「我々の自己細胞移植テクノロジーは、患者の毛髪細胞を患者自身の毛包から採取し、培養増殖させた後、脱毛部位に移植するものである。我々は、毛髪培養が新しい自然な髪の毛を生み出し、また既にある休眠状態にある毛髪についても再活性してくれるものと期待している。」CEOのDavid Hall氏は、BioTuesdaysとのインタビューにおいてこのように述べた。
先月、RepliCel社は毛髪培養テクノロジーの初めての臨床試験において、培養した本人の毛髪細胞について患者への移植を行った。今回の実験における男性被験者10人と女性被験者9人において、副作用は見られていない。RepliCel社は次の2月に、注入後6ヶ月に渡る経過調査を完了の後、安全性に関する最初のデーターを公開することを計画している。さらに毛髪培養による施術が、治療部位において毛髪の再生の効果があったのかどうかについての分析も行い、2013年の8月に最終研究結果を完了する。
「安全性は、我々にとって重要な目標ですが、私の見解では、毛包新生および休眠状態にある毛包の活性化が正しく行われるうことを示す必要があります。」Hall氏はこのように述べた。
「男性型脱毛症において起きている事象というのは、毛髪成長サイクルにおいて毛包が縮小し、毛髪成長サイクルが停止してしまうということなのです。」彼はこのように付け加えた。「我々が目標としていることは、単に新しい毛包を作り出すというだけではなくて、既に(頭皮で)休眠状態にある毛包についても再活性化を行うということなのです。」
Hall氏は臨床試験において「中程度に」成功したものについては、6ヶ月から12ヶ月において10パーセントの毛髪成長を示したと言う。これはFDA承認薬である男性および女性育毛剤のロゲインと同等の効果である。「非常に」うまくいった結果については、6ヶ月から12ヶ月において10パーセントから15パーセントの毛髪成長を示しており、これはFDA承認薬であり1日1回摂取することで脱毛症の主な原因である活性型男性ホルモンを抑制してくれるプロペシアと同等の効果をもたらしている。「極めて」うまくいった事例については、6ヶ月から12ヶ月において20パーセント以上の毛髪成長を見せたと、彼は付け加えた。
RepliCel社のテクノロジーは、Rolf Hoffmann博士とKevin McElwee博士の二人の科学者の研究に基づいているもので、これまでの研究では無視されてきた毛包のある領域、それは毛包真皮毛根鞘細胞に注目している。毛包真皮毛根鞘細胞は、毛球の低部位に位置しており、コップのように毛球を囲んでいる。
前臨床研究において、研究者たちは、毛包真皮毛根鞘細胞が、新しい毛包の形成を誘導する能力があることを発見した。毛包真皮毛根鞘細胞に由来する細胞は、毛包における毛乳頭に由来する細胞と比較しても、より質の高い毛髪を作り出すことが分かっている。研究者による研究では、自然な毛髪成長サイクルにおいて、毛包真皮毛根鞘細胞が、毛乳頭細胞の形成の源となっていることが示された。彼らの研究結果は、2003年にJournal of Investigative Dermatology誌で発表された。
「これこそが、他の毛髪培養とは違うところなのです。」このようにHall氏は語った。「我々は、毛包の大元になっている特定の細胞を使っているのであり、まさにそれ以外の細胞の何者でもないのです。これについては我々は特許による保護を得ておりますし、我々は毛包真皮毛根鞘細胞が、新しい毛包形成のための前駆細胞であると考えています。というのも、我々の前臨床研究において、毛包真皮毛根鞘細胞無しの状態では、新しい毛包を作り出すことはできなかったからです。」
Hall氏はは、RepliCel社の科学研究主任であるMcElwee博士と、Hoffmann博士が、何度も動物実験を繰り返したとも述べた。さらに、「(動物実験では)100パーセント、毛髪を成長させ、その毛髪の密度は50パーセントにまで増加した。これは有効であり満足いくものだ。」とも述べた。
最も一般的な脱毛症の種類である男性型脱毛症や円形脱毛症などには、現在のところ主に二通りの治療法がある。ひとつは自毛移植であり、これは後頭部の頭髪のある部位から頭皮を切除し、毛包単位に分解した上で、患者の脱毛症部位に移植するというものである。もうひとつの治療法は、外科的な手段を伴わないもので、ロゲインやプロペシアである。これは継続的に摂取することが必要であり、継続しないと新しい毛も抜け落ちてしまう。
RepliCel社は、実際の被験者で、健康な毛髪の生えている後頭部から少しばかりの毛髪と皮膚を採取することによる治療を開始している。採取された生体組織は、ヨーロッパで特別な許可を得たコンテナによりオーストリアへと輸送される。
ここで細胞が分離され、毛包真皮毛根鞘細胞はおよそ3ヶ月に渡り培養される。培養された何百万もの細胞は、RepliCel社に再び運ばれ、特許取得済みの器具を用いて患者の頭皮の脱毛症の部位へと移植される。この施術に掛かる時間は30分から40分である。
Hall氏は、RepliCel社の細胞培養テクノロジーの重要な点は、脱毛症の影響を受けている毛包の活性化も行うと言うことである。これにより脱毛症が進行する前に先立って、その進行を防ぐことが可能となる。
RepliCel社による治療法は、患者に永続的な効果をもたらす可能性があるともHall氏は言う。これは脱毛症治療薬のように、毎日薬を摂取する必要がないということである。毛髪培養の治療価格は明らかにされていないが、Hall氏は毛髪培養は、半永久的な脱毛症治療になる可能性を秘めていると述べた。
RepliCel社による培養移植テクノロジーをめぐり自毛移植と比較して優位性のある点は、施術時間が短時間で済む点である。自毛移植と比較しても一日あたりにより多くの患者を治療することが可能になる。「施術は、シンプルです。さほど治療技術の訓練もいりませんし、医療スタッフも必要ありません。一人の治療者とアシスタント一人がいれば十分です。」
臨床試験フェーズ1の良好な結果を経て、次の秋ごろにはフェーズ2bに入る。Hall氏はヨーロッパでの臨床試験を行うことに傾いているが、RepliCel社では、FDAやカナダ保健省を通じて申請することを計画している。「ヨーロッパでどのような結果がでようとも、その結果は欧米の司法体系にもとづいて承認を得るために用いられることになるだろう。」このように彼は付け加えた。
自己細胞による移植における安全性について質問すると、Hall氏は「我々は、最初から毛包と毛髪をつくりだすようプログラムされている細胞を採取し、何百万にも培養し、細胞移植のように患者に戻すだけで、(毛包細胞が)既に行っていること以外のことを(遺伝子操作のように)させようというわけではありません。」
彼は、RepliCel社は、他の競合企業と違ってFDAに臨床試験の申請をしている唯一の企業であるとも述べた。「これは、我々が専門化たちの評価意見を経て、研究結果を発表できるということを意味しているのです。」とも述べた。
Hall氏は、この毛髪培養テクノロジーを開発するのに要した費用は、一般的な治療薬や幹細胞による製品の開発と比較しても、非常に少なくて済むだろうと述べた。臨床試験のフェーズ2に要する費用は、およそ5億円と見られている。「投資のリスクと利益のバランスを考えても、株主にとって非常に価値のあるものだと思う。」Hall氏はこのように付け加えた。
「我々の動物実験では、新しい毛髪をつくりだし、毛髪の密度を増加させるのに、100パーセント成功しています。どのようなものになるかは、分かりませんが、実際の被験者でも確実に毛髪を成長させることができると見ています。我々が期待しているのは、フェーズ2を始めるに当たって十分な結果が得られることです。これは科学における革命です。もし成功すれば、来年にも製薬業界から注目をえることができると思います。」
■引用元
RepliCel’s cell-based solution to hair loss | BioTuesdayより翻訳
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